間口6.7m、奥行21.0m西側接道の
敷地での2世帯住宅の計画です。
クライアントからの要望は両親の住まいと自分たちの住まいの距離感を上手く創り出してほしい。
そして明るく風通しの良い生活空間というものでした。
ごく当たり前の要望のように聞こえますが敷地に難題がありました・・・。
東西に長い敷地の東面は5階建てのビルが、南側隣地には3階建の新しい隣家が2軒、北側には賃貸の2階建ハイツがあるという状況でした。
どこに向かっても直ぐに隣の建物の壁がある中、唯一の抜けは西側の交通量の多い前面道路だけでした。
西側に沢山開く案や少しでも南側に空地を設けて通風と採光のためのスペースを設けた案等・・・
沢山検討をしましたが、
最終的に
”では、空に向かいましょう!”
という提案をしました。
ご両親の住居スペースは一般的には1階でバリアフリーに・・・
というものかもしれませんが、ここでは3層吹き抜けの中庭を挟み向い合ったお隣さんとして2世帯がレイアウトされています。
その中庭は敷地北側に且つ閉じた状態で配置されていますが、太陽光が周辺環境の影響から最大限に取り込めること、また閉じられた自身の北側壁の反射光として深く(1階まで)取り込もうと考えた結果です。
また中庭には南側隣家同志のすき間(1.0m程度)に向けて開口が設けられ敷地中央ながら通風が確保されています。
間口の狭い敷地では中庭によって手前と奥が分断されてしまうケースがありますが、そうならないよう1つの家族としての有機的な繋がりへの配慮がとても重要に感じます。 |