敷地は前面道路を介して南側に阪急電車が走る23坪の狭小地でした。
施主であるご夫妻に話を伺うと2台の車をインナーガレージとして駐車したいとの希望をお持ちでした。自ずと1階部分の7.5坪を駐車スペースに設定しなければなりませんでした。さらには目の前を走る阪急電車・・・。
まず敷地中央を2台分の駐車スペースとし、その両サイド(東西)に構造としてのコアを形成し東側の片方はエントランスとしました。そこからはガレージの背面をすり抜けて2階LDKへと通じる階段が伸びています。LDKは全体が吹抜け空間となっていて南側(阪急電車の走っている側)を採光面としていますがその開口は細かく文節され移動中の車内からは内部がはっきり認識できないスケールとしプライバシーが保たれています。しかしながら南壁面全体に配置された小開口からは十分な採光と通風が確保されています。そして他方の構造コアの1階部分には寝室が隠されていて、この住宅のもう1つの階段が降りています。そこはこの住まいの中で一番奥に当たる場所なのですが平面的には交差点に最も近い場所なのです。そのためコンクリートによる強固な壁で物理的にも表現としても守られています。
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